この命のすべてで、君を想いたい

空は、それを否定しなかった。




ただ、そっと私の額に触れ、


熱があるか確かめるように指を滑らせてから、真っすぐに私を見つめる。



「雫……起きてても、寝てても……俺、そばにいるよ」



「眠ってる雫のこと……ちゃんと見てる。
 手だって握ってる。
 話せなくても、ちゃんといるから」



声が少し掠れていた。
泣いているわけじゃないのに、泣きそうな声だった。



「だから……我慢しなくていいよ。
 痛いのに耐えるほうが……つらい」





空の手が、少し震えていた。
気づかれまいと押さえつけているみたいに。




――あぁ、空も怖いんだ。



そう思った瞬間、私は抵抗する理由を失った。





空を悲しませたいんじゃない。


ただ、私の時間が空から離れてしまうのが怖かっただけ。






でも


『…じゃあ、お願いする……空がそばにいるなら……平気だよね』



痛い中でも、安心して涙が出た。



眠ることを嫌がる私の気持ちを全部わかったうえで、


それでも無理をさせないようにしてくれる空の優しさ。



私はその手をぎゅっと握る。






その瞬間、空は小さく息を吐き、
本当に安心したみたいに微笑んだ。




「うん。先生に伝えてくる、すぐ戻るから」




そう言って立ち上がるその背中が、


頼もしくて、愛しくて、少しだけ誇らしかった。