この命のすべてで、君を想いたい

今日も空が来てくれた。


ベッドの横に座る空を見て、なんだか安心する。


『空、今日も早く来てくれたんだね』


「うん。学校は……ちょっと休むことにした」



私は少し目を丸くした。



『え……休学したの?』

空は柔らかく笑った。



「うん。面会の制限ないし、できるだけ一緒に過ごしたいなって」



その言葉に、胸の奥がふわっと温かくなる。



『そっか……うれしい』



「ほら、そんな顔しないで。ちゃんとわかってるから」



空の声は優しくて、自然に心が落ち着く。



『でも……空まで休学させちゃって』



「大丈夫。授業より雫といる時間のほうが大事だから」



私は思わず笑って頷く。



『じゃあ……いっぱい一緒にいられるね』



「うん。天気がいい日は屋上で日向ぼっこしよう。夕日もまた見に行こう」




小さくうなずくと、窓の外から春の柔らかい光が差し込む。




ここでも、空と一緒にいるだけで時間が特別になることを感じる。




『ねぇ、空。明日は何して過ごそうか』


「明日はなんか映画でも観ようか、雫の好きなやつ」

私は笑って頷いた。



日向にふたりで座るだけでも、なんだか楽しい。




緩和ケアに移っても、こうして普通に穏やかな時間が過ごせる――それだけで幸せだと思う。