病室のベッドに座る雫の隣で、俺は小さなトレーに置かれたおやつを手に取る。
『……空、これ美味しいよ』
雫はにっこり笑って、疲れた様子もほとんどなく、前よりずっと落ち着いている。
前日までの辛そうな表情が嘘みたいに見える瞬間だ。
「そっか、よかった。じゃあちょっと味見……」
笑いながらひとくち食べると、雫がくすくすと笑った。
ふたりで軽く笑い合うだけの、何気ないやり取り。
こんな時間がずっと続けばいいのに、と思う。
病室の静かな空気の中、笑い声がふわっと響いて、少しだけ日常が戻った気がした。
病室のドアがノックされて、医師がそっと顔をのぞかせた。
「水瀬さん、少しお時間いただきたい話があります。今日は体調も落ち着いているようなので、説明を…と思いまして。」
その声は穏やかだったけれど、雫の身体がわずかに強張るのが分かった。
医師は続ける。
「この部屋でもお話しできますが、長くなりそうなので……別室のほうがよろしいかと思います。どうしますか?」
雫の方を見ると、下を向いて小さく震えている。
『相談して、またお伝えしてもいいですか?』
「わかりました。また看護師にお伝えください。」
医師はそういい軽く会釈して部屋を出ていった。
ドアが閉まった瞬間、空気が一気に静まり返る。
『……空、これ美味しいよ』
雫はにっこり笑って、疲れた様子もほとんどなく、前よりずっと落ち着いている。
前日までの辛そうな表情が嘘みたいに見える瞬間だ。
「そっか、よかった。じゃあちょっと味見……」
笑いながらひとくち食べると、雫がくすくすと笑った。
ふたりで軽く笑い合うだけの、何気ないやり取り。
こんな時間がずっと続けばいいのに、と思う。
病室の静かな空気の中、笑い声がふわっと響いて、少しだけ日常が戻った気がした。
病室のドアがノックされて、医師がそっと顔をのぞかせた。
「水瀬さん、少しお時間いただきたい話があります。今日は体調も落ち着いているようなので、説明を…と思いまして。」
その声は穏やかだったけれど、雫の身体がわずかに強張るのが分かった。
医師は続ける。
「この部屋でもお話しできますが、長くなりそうなので……別室のほうがよろしいかと思います。どうしますか?」
雫の方を見ると、下を向いて小さく震えている。
『相談して、またお伝えしてもいいですか?』
「わかりました。また看護師にお伝えください。」
医師はそういい軽く会釈して部屋を出ていった。
ドアが閉まった瞬間、空気が一気に静まり返る。
