この命のすべてで、君を想いたい

何度か、目を開けた瞬間に空が笑ってくれた。

「雫、起きた? 大丈夫?」



弱っていく自分を見せるのは本当は辛い。




少し前、痛みでひどく苦しんだ日があった。




自分でもわかるくらい声が震え、呼吸が乱れて、
医師たちが慌ただしく動き回っていた。




あの時、ふと視界の端に空の姿が見えた。





遠くで立ち尽くしていた。


私に触れることも、呼ぶこともできずに。


その表情を思い出しただけで胸が痛む。





――ごめんね。
――そんな顔、させたくなかったのに。





けど、痛みが落ち着いたあと、
空がベッドのそばに来て、何も聞かずに、当たり前みたいに手を握ってくれた。




あの温かさは、今でもちゃんと覚えている。
あれだけで救われた。



私は弱っていく。

眠る時間が増える。

話せる時間は日に日に短くなる。




でも、目を開けるたびに空がいてくれる。




その奇跡みたいなことが、
いまの私の全部になっている。