この命のすべてで、君を想いたい

その時、雫がふとまぶたを開ける。



かすかに視線を空に向けた瞬間、空の涙に気づいた。



「……空……?」


声は弱々しく、息も辛そうに震えている。




空は慌てて手を止め、顔を上げる。



「……ごめん、雫、起こした?……」



言葉は途切れがちで、少し動揺している。




雫は目を細め、ゆっくりと空の頬へ手を伸ばす。

指先でそっと涙に触れる。





「泣いて……いいんだよ、空。私、わかってるから」




声は優しく、まるで空を抱きしめるように温かい。




空は少し息をつき、涙を拭う。



『ありがとう……雫、でも……』


言葉にならない想いが溢れて、声が震える。




「空...いつも我慢させて...ごめんね」




『そんなことない...俺は何もできなくて...』


空の目からポロポロと涙が溢れる。
 



それを見て、雫は微笑む。



疲れた体で精一杯、空を見つめる。




「……大丈夫。空がそばにいてくれるだけで、私は幸せだよ...」



空はその言葉を胸に刻み、肩の力を抜く。



雫は俺の何倍も辛いはずなのに、
俺を気遣ってくれる。



『……俺も、雫と一緒にいられるだけで幸せだよ』



静かに、でも確かに思いを伝える。