この命のすべてで、君を想いたい

空はただその様子を遠くから見つめるしかない。




手を差し伸べることも、言葉をかけることもできない。



無力感が胸を押しつぶす。




しばらくして、雫の呼吸がゆっくりと落ち着き、身体の震えもやや治まった。



医師たちが去った後、空はそっとベッドの近くに歩み寄る。



雫はまだ目を閉じ、体力を消耗して言葉も上手く出ないようだった。







「……空……?」



そのか細い声に、空は心臓が強く締め付けられるのを感じた。


「……来てたの」






『うん、さっき着いたんだ。』
空は動揺を隠し、冷静を装う。声は低く、静かで揺らがない。





雫は少し目を開け、
空がそこにいることを確認し、

ゆっくりと優しく微笑む。





その瞳には、驚きと、体力の消耗からくる弱さが混ざっていた。




空はただ微笑み、ゆっくりと雫の手を握る。




『……無理しなくていいから。』





空の声は静かだが、底にある思いは深く、

全て雫を支えたいという愛で満ちている。





雫は弱々しく頷き、

目を閉じて小さく息をつく。




「ごめん……心配かけて……」




『心配なんて……そばにいるから。』


空は何もせず、ただそばにいるだけ。




でもその存在だけで、雫の胸にはほんの少しの安心が広がる。




空自身も、何もできない無力感に胸を痛めながら、揺るがぬ優しさで雫を包み込む。


雫は安心し、体力の限界を迎えたように眠りについた。