この命のすべてで、君を想いたい

次の日、廊下を抜け、学校帰りの空は病室の前で立ち止まった。



扉の向こうから、雫の荒い息遣いと、苦しみにもがく小さな声が聞こえる。



空が中に入る前に目にしたのは、ベッドの上で身体を縮め、眉をきつく寄せる雫の姿。



点滴の準備や酸素マスクの調整に医師と看護師が慌ただしく動く。



「痛い……っ!」

その声に胸が引き裂かれるようで、空は一歩も動けず立ち尽くすしかなかった。


手を伸ばしたい――
けれど、今は医師たちの邪魔になるだけだと、自分を抑える。


目の前の雫は、痛みに震え、手を握りしめ、唇を噛みしめている。
呼吸は乱れ、時折苦しげな呻きが漏れる。




空の胸に、重く冷たい現実がのしかかる。



――もう、限界なのか。



――これが、残された時間の長さを物語っているのか。



ーー自分だけ甘く見ていたのかもしれない






医師たちが必死に処置を進め、看護師が手際よく道具を渡す。