空は立ち上がって、雫の枕の位置をそっと直した。
昨夜と同じように、大事に扱う。
『どこか痛くない?…喉、乾いてない?』
雫は小さく首を振る。
「大丈夫。空いるから……平気」
昨日と同じ言葉なのに、
その声は不思議と穏やかで、どこか救われたみたいに柔らかかった。
空の胸の奥で、何かがゆっくり温かくなる。
大丈夫に……したいんだ、ちゃんと
そんな言葉は出さなくてもいい。
出したら泣いてしまいそうだから。
空はただ、笑って言った。
『じゃあ安心した。
今日もいっぱい話そうね』
雫はうなずき、そっと空の手を探した。
指先が触れ合い、弱い力で握り返される。
空はその手を包みながら、静かに決めていた。
――もう泣かない。
ーー雫はまだ生きてる。
――今日の雫を、ちゃんと笑わせたい。
言葉にせず、心の奥で。
朝の光は穏やかで、
昨夜の深い絶望とは別の場所にふたりを連れてきてくれる。
雫は空の方に顔を向けて、少しだけ甘えた声で言った。
「空……今日も、そばにいてね」
空は優しく微笑んだ。
『もちろん。ずっといるよ』
その言葉に、雫の強張った胸の奥が、ほんの少しだけほどける。
今日という一日が、
ふたりにとって“生きている時間”でありますように――
空はそう願いながら、雫の手を強すぎない力で握り続けた。
昨夜と同じように、大事に扱う。
『どこか痛くない?…喉、乾いてない?』
雫は小さく首を振る。
「大丈夫。空いるから……平気」
昨日と同じ言葉なのに、
その声は不思議と穏やかで、どこか救われたみたいに柔らかかった。
空の胸の奥で、何かがゆっくり温かくなる。
大丈夫に……したいんだ、ちゃんと
そんな言葉は出さなくてもいい。
出したら泣いてしまいそうだから。
空はただ、笑って言った。
『じゃあ安心した。
今日もいっぱい話そうね』
雫はうなずき、そっと空の手を探した。
指先が触れ合い、弱い力で握り返される。
空はその手を包みながら、静かに決めていた。
――もう泣かない。
ーー雫はまだ生きてる。
――今日の雫を、ちゃんと笑わせたい。
言葉にせず、心の奥で。
朝の光は穏やかで、
昨夜の深い絶望とは別の場所にふたりを連れてきてくれる。
雫は空の方に顔を向けて、少しだけ甘えた声で言った。
「空……今日も、そばにいてね」
空は優しく微笑んだ。
『もちろん。ずっといるよ』
その言葉に、雫の強張った胸の奥が、ほんの少しだけほどける。
今日という一日が、
ふたりにとって“生きている時間”でありますように――
空はそう願いながら、雫の手を強すぎない力で握り続けた。
