この命のすべてで、君を想いたい

家に帰るために自転車にまたがる。

でも、ペダルを踏む足が震えて空回りする。



深呼吸を三回、四回。
なんとか動き始める。



風が顔に当たるたび、涙の筋が乾いて、また新しく流れて。




前を向こうとするたびに胸が痛い。
でも、進むしかない。

家の近くまで来て、空はようやく小さく声を漏らす。


『……雫……生きててよ。お願いだから……』





その声は、誰にも届かない夜の空へ溶けていった。



鍵を開けて家に入った瞬間、空は力が抜けたように立ち尽くした。



誰もいないリビング。

外の街灯の光がカーテン越しに淡く差し込むだけ。




『……ああ……』



小さく息を漏らすと、胸の奥が痛みでいっぱいになった。



自転車の上で耐えていた重さ、


涙をこらえていた時間が、一気に押し寄せる。

床に膝をつき、頭を抱える。




顔はもうぐしゃぐしゃで、泣き声も漏れた。
声にならない嗚咽が、ひとりの部屋に響いた。