『……空……』
やっと雫の目から涙がこぼれた。
自分の意思じゃなく、零れ落ちてしまう涙。
空は雫のこわばった背中を優しく撫でながら続けた。
「雫のこと、大好きだよ。最後なんて、考えたくないけど……」
空はゆっくり、言葉を選んで続ける。
「でも、もしその日が来たって――俺は雫を愛したままでいる。
後悔なんて、ひとつもない」
空が優しく笑う。
雫は涙を流しながら、空の胸に顔を押しつけた。
『……空……だいすき……
本当に……大好き……
こんな私でも……
空のこと……愛せて……よかった……』
「俺もだよ、雫」
空は雫の髪に顔を埋め、震える声で言った。
「雫のこと、世界で一番大好きだよ」
2人は抱き合ったまま、しばらく言葉を交わせなかった。
