この命のすべてで、君を想いたい

空と再会した次の日の昼前。



雫はベッドにもたれ、静かな病室でぼんやり外の光を眺めていた。





コン、コン。

控えめなノック。
扉がゆっくり開く。



「……雫?」



顔をのぞかせたのは沙月だった。
その後ろには蓮太郎もいる。

二人とも、目を大きく見開いたまま固まっていた。





「本当にここ……にいたの……?」




沙月の声は震えていた。



驚きというより、“探し続けていた相手をようやく見つけた”みたいな顔だった。




蓮太郎も、いつもの軽い調子とはまったく違う声で言った。



「雫……なんで……ここに……」