この命のすべてで、君を想いたい

喉がつまって、最後の言葉はほとんど息になった。



『……あと少し……ほんとに少ししか……残ってないけど……
 一緒にいても……いい……?』 




その質問がどれだけの勇気でできたのか。
空は分かってくれていた。



「……うん。俺も……一緒にいたい」

胸がじんと温かくなる。


だけどその温かさの奥には、

ゆっくりと迫ってくる終わりの影が、二人とも気づかないふりをして佇んでいた。




それでも今だけは。




この腕の中だけは。




世界でいちばん愛しくて、苦しくて、幸せな場所だった。