この命のすべてで、君を想いたい

胸が苦しくて、どうしようもなくて、
情けないほど弱い言葉がこぼれた。

『なんで……空、バカだよ……』



「うん。大バカ者だよ」



こんな返事で泣かせてくるなんて思わなかった。



『……ごめん……空……』



「なんで謝るの」



『私も……一緒にいたいから……』



「……ごめんじゃないよ、雫」



『なんで来たの……』



「うん」



『なんで分かったの……』



「裕大が教えてくれた」



『なんで……私なの……?』



空は少し笑って、でも涙を堪えるみたいに目を伏せた。



「……2年前にさ。もう……まるごと好きになってたから」