この命のすべてで、君を想いたい

『誰ですか!よく分からないです!出てってください!』

私は、焦りでもう何が何だか分からない事
を口走る。


鼓動が早くなって息が詰まりそうになる。



顔を見たら、もう二度と戻れない気がして、布団を持つ手をぎゅっと強める。


「大丈夫、何もしないから。」


聞き馴染みのある優しい声に、
全て打ち明けたくなる。



今ここで、全部終わりに出来たら、
どんなに楽になれるだろう。


でもそんなこと出来ない。
あの時何のために空を傷つけたのか、
その意味が無くなってしまう。



布団をぎゅっと握る手を、空はそっと包み込む。


その懐かしい温もりに涙が溢れそうになる。

私はここで泣くことも出来ない。