小さく息をつき、震える声で口を開く。
『…雫、病院にいるんだ』


その言葉に、全員が固まる。


「……は?」

空の声が震える。



「なんで、雫が……?」

蓮太郎が驚きの声を漏らす。


「ちょ、ちょっと待って、どういうこと?」

沙月も目を丸くする。



裕大は肩を落とし、視線を伏せる。



『…ああ、今言ってることは俺が勝手にしてる。雫は黙っててほしいって言ってた。』


『でも俺は、空、お前を会わせたかったんだ。ずっと、ずっと。』



『俺だけじゃ、雫を最期まで幸せでいっぱいにしてやれない。』


裕大の言葉に、みんな何も言えなかった。