午後になると、

病室のカーテン越しに柔らかな光が差し込む。
雫は少し体を起こし、弱々しくも窓の外を眺める。


窓からは海が見える。


裕大も視線を外さない。

今日もそばにいると言わなくても伝わる、静かな約束。



数日経っても、生活の変化はほとんどない。


でも、二人にとっては
その「変わらない穏やかさ」が、少しずつ、心の支えになっていた。





しかしその中で裕大は一人、
このままでいいのかと、葛藤を抱えていた。