この命のすべてで、君を想いたい

病室の窓から柔らかい光が差し込む。


裕大は静かにベッドの端に座り、ノートを手にしている。

雫は目を閉じたまま、布団の中でじっとしている。

食事も取ろうとせず、体力もまだ完全には戻っていない。

裕大はそれを気にかけつつも、無理に声をかけたり促したりはしない。


ただそばにいるだけで、雫が安心できるならそれで十分だと感じていた。



外から見れば、特別なことは何もない、
静かで穏やかな日常のひとコマ。

雫も裕大も、言葉はほとんど交わさない。

でも、お互いの存在が心の奥で支えになっているのを二人とも感じていた。