この命のすべてで、君を想いたい

探し始めて四日目、

商店街の八百屋で荷物を並べていたおばちゃんが、隣の店の人と話していた。


「この前さ、海の方で若い子が倒れて救急車で運ばれたんだって」

裕大の足が止まった。

……まさか。いや、違うだろ




でも、心臓が嫌な音を立てる。


「スラーッとした色白の美人さんで、倒れる前からフラフラだったって」


裕大の手に汗が滲む。

違う……違うけど……


細身で色白の美人なんて、この街にたくさんいる。


でも、胸の中のざわつきが抑えられない。

気づけば裕大は走っていた。



夕方の病院は静かだった。


裕大は受付に近づき、声が震えるのを押さえながら尋ねた。


『あの……ここに水瀬雫は入院していますか?』


受付の人はカルテを確認し、神妙な顔をして言う。


「失礼ですが、ご関係は?」


『いとこです。入院したって聞いて』


裕大の喉がきゅっと締まる。


もし、本当に雫がここにいたらどうしようと心臓の鼓動が早まる。


裕大はもうずっと探している。


見つけたい、見つかって欲しい。
そんな思いはある


でも違ってほしい。
そんなわけがない。


そんな気持ちが頭をぐるぐると回っていた。




「雫さんは面会の許可がないため、会うことができません。お引き取りください。」


『そう...ですか、分かりました。ありがとうございます。』