入院してから、何日が過ぎたのか、雫にはもう分からなかった。
朝になればカーテン越しに光が落ちてきて、
夜になれば誰かの足音が静かに消えていく。
ただそれだけの繰り返し。
雫はほとんど身体を起こさなかった。
売店へ行き、必要な下着などを買う。
洗濯やお風呂へ行く。
生きたくないのに、体は進んでいく。
起きる理由が見つからなかった。
看護師が優しい声で食事を勧めても、
水だけ飲んで、固形物には一切触れなかった。
「…あとで食べます」
そう言いながら、実際に食べたことは一度もない。
皿の上のご飯は毎食そのまま下げられていく。
点滴だけで時間が進んでいく感覚は、
生きているというより、
ただ「時間に残されている」ようだった。
医師は何度も部屋に来て治療の話をしたが、
雫は淡々と首を横に振るだけ。
拒絶ではなく、諦めでもなく、
もう「どうでもいい」という無感情に近い何かだった。
夜になると、天井を眺めているだけで過去が押し寄せてくる。
空の笑顔。
手を繋いだ温度。
自分を呼ぶ声。
全部、胸の奥をぎゅっと締めつけてくる。
『……なんで、幸せになりたかったんだろ』
誰に向けた言葉でもなかった。
涙は出ない。
泣く気力すら残っていなかった。
ただ、空と別れたときの「痛み」だけは、
時間が経つほどリアルに鮮やかになっていく。
雫は、自分の心が静かに壊れていく音を
確かに感じていた。
朝になればカーテン越しに光が落ちてきて、
夜になれば誰かの足音が静かに消えていく。
ただそれだけの繰り返し。
雫はほとんど身体を起こさなかった。
売店へ行き、必要な下着などを買う。
洗濯やお風呂へ行く。
生きたくないのに、体は進んでいく。
起きる理由が見つからなかった。
看護師が優しい声で食事を勧めても、
水だけ飲んで、固形物には一切触れなかった。
「…あとで食べます」
そう言いながら、実際に食べたことは一度もない。
皿の上のご飯は毎食そのまま下げられていく。
点滴だけで時間が進んでいく感覚は、
生きているというより、
ただ「時間に残されている」ようだった。
医師は何度も部屋に来て治療の話をしたが、
雫は淡々と首を横に振るだけ。
拒絶ではなく、諦めでもなく、
もう「どうでもいい」という無感情に近い何かだった。
夜になると、天井を眺めているだけで過去が押し寄せてくる。
空の笑顔。
手を繋いだ温度。
自分を呼ぶ声。
全部、胸の奥をぎゅっと締めつけてくる。
『……なんで、幸せになりたかったんだろ』
誰に向けた言葉でもなかった。
涙は出ない。
泣く気力すら残っていなかった。
ただ、空と別れたときの「痛み」だけは、
時間が経つほどリアルに鮮やかになっていく。
雫は、自分の心が静かに壊れていく音を
確かに感じていた。
