この命のすべてで、君を想いたい

泣き疲れて、雫はそのまま床に座り込んで朝を迎えた。


眠っていないはずなのに、目を閉じた時間の記憶が曖昧で、気づけば外は白んでいた。


息苦しかった。

家にいると、胸の奥の痛みが膨らんでいくばかりで、じっとしていられなかった。


雫は軽く上着を羽織り、ふらふらと家を出た。



向かったのは海辺。

何度も歩いた場所。

誰にも会わずにいられる、静かな場所。

空との始まりの場所、思い出の場所。



海風が冷たくて、体の芯が少しだけ軽くなる気がした。


けれど歩くにつれて、

胸の奥の痛みも、

あの夜の涙も、

全部また浮かび上がってくる。



『……もう、いいのに』

そう呟いたのは、誰に向けた言葉だったのか自分でもわからない。



ただ、もう生きる理由を見失っていた。