奥の部室から話し声が聞こえる。
写真部の部室。
雫は一度深呼吸して、ノックした。
中では数人が弁当を広げていて、思いがけない来訪者に目を丸くする。
雫は胸の前で手をぎゅっと握りしめ、言葉を探して、ようやく声を絞り出した。
『あの、廊下の写真。その、彼氏の写真で。もし、もらえるなら……いただけませんか?』
部員たちは一瞬顔を見合わせて、すぐに表情を緩めた。
「え、写真?もちろん大丈夫です!そんな気に入ってもらえるなんて嬉しいです。どの写真ですか?」
立ち上がりながら代表して答えてくれた子に空の写真をそっと指差す。
笑顔で渡された写真。
雫は両手で大事に受け取って、小さく頭を下げた。
『…すごく、いい写真です。…ありがとうございます』
それだけ言うのが精一杯だった。
旧校舎を抜け、夕暮れの色が沈む道を、雫は写真を抱えるようにして帰った。
写真部の部室。
雫は一度深呼吸して、ノックした。
中では数人が弁当を広げていて、思いがけない来訪者に目を丸くする。
雫は胸の前で手をぎゅっと握りしめ、言葉を探して、ようやく声を絞り出した。
『あの、廊下の写真。その、彼氏の写真で。もし、もらえるなら……いただけませんか?』
部員たちは一瞬顔を見合わせて、すぐに表情を緩めた。
「え、写真?もちろん大丈夫です!そんな気に入ってもらえるなんて嬉しいです。どの写真ですか?」
立ち上がりながら代表して答えてくれた子に空の写真をそっと指差す。
笑顔で渡された写真。
雫は両手で大事に受け取って、小さく頭を下げた。
『…すごく、いい写真です。…ありがとうございます』
それだけ言うのが精一杯だった。
旧校舎を抜け、夕暮れの色が沈む道を、雫は写真を抱えるようにして帰った。
