この命のすべてで、君を想いたい

修学旅行が終わり、五人はまたいつも通りの日々を楽しく過ごしていた。 



教室の窓から冬の陽射しが差し込み、雫は沙月や蓮太郎、裕大と笑いながら話していた。


「この前の映画、めっちゃ面白かったよね!」


「ほんと、あのシーン、マジで笑った!」

空は隣の席で、雫をちらりと見る。



ふと、雫が瞬間的に顔をしかめたのに気づいた。


しかしすぐに笑顔を作り、会話に戻る。


「……ん?雫、大丈夫?」
空が軽く声をかける。



雫は慌てて、にこっと笑う。


『うん、大丈夫。ちょっと肩こっただけ』



「そう?」


空は少し眉を寄せるが、無理に詮索せず、微笑んで頷いた。