この命のすべてで、君を想いたい



夜になり、沖縄の街は穏やかにライトアップされていた。


ホテルに着いた雫は、自分の部屋に荷物を置き、ふと窓から夜景を眺める。



心はまだ、今日一日の楽しかった記憶でいっぱいだった。


部屋は空と違う階にあるため、普通なら会えない。


でも、二人はこっそり連絡を取り合い、短い時間だけでも会おうと約束していた。


 
「雫、今からちょっと行ってもいい?」


空からのメッセージに、雫は少しドキドキしながらも返事を打つ。



『うん、待ってる』

しばらくするとノックがあり、ドアがゆっくり開けると、空が笑顔を見せた。


『来てくれてありがとう』

「うん…少しだけね」


空は手を差し出す。雫はその手を取って、自然と隣に並ぶ。


二人はソファに腰を下ろし、窓の外の夜景を一緒に眺める。


「今日、楽しかった?」


『うん…美ら海水族館も、街も、沙月と一緒にいるのも楽しかった』


空は雫の笑顔を見つめながら、優しく言う。



「明日は自由時間あるし、一緒に回れるの楽しみだね。」



雫は小さく頷き、心の中で嬉しさをかみしめる。



部屋の中は静かで、他の人たちの声は届かない。



二人きりで過ごすこの時間が、どんなに特別かを感じながら、自然と手が重なる。


『ねぇ、空』

「ん?」

『大好き』


空は微笑みながら頷き、雫の手をそっと握り返す。


「それは反則」



言葉少なに、二人は夜景を見つめた。短い時間だったけれど、

全てが宝物のように感じられる。



やがて、空はそっと立ち上がる。


「そろそろ戻るね」


『うん…ありがとう、来てくれて』
二人は軽く笑い合い、空は自分の部屋に戻っていった。



心臓はまだドキドキしているが、幸せでいっぱいだった。