この命のすべてで、君を想いたい

夏休み中、五人で集まった日も多かった。

海では、

裕大が浮き輪でゆらゆらしすぎて沙月に本気で怒られ、

蓮太郎は日陰で本を読んでるけど、たまにみんなの写真だけはちゃんと撮ってくれる。


海辺でした花火では、「見て! 俺の漢字これ!」と花火で“裕”を書くのに必死だった。



沙月は「はやく帰らないと終バスなくなるから!」と焦っていた。


そんな5人で過ごす当たり前の日常が、雫の心を温かく満たしていた。




 
夏休みが終わり、2学期に入ってからも、五人の空気はずっと変わらない。


裕大が
「あっ、空ノート貸して!」といつもの調子で言い、


沙月が「ほんとに成長しないね…」と呆れ、

蓮太郎が淡々と「提出明日だよ」と釘を刺す。


空はその横で雫の方だけふっと見る。


雫も気づいたときに小さく笑って、
その一瞬だけいつもと違う暖かい空気が流れた。