この命のすべてで、君を想いたい

他愛のない日々は一瞬で過ぎ去る。
ふと気がつくと、季節は夏の気配を漂わせている。


『空、今日予定ある?』

「今日は何もないよ、雫は?」

『私は帰るだけ。……ちょっと行きたいとこあるんだけど、一緒に行く?』

「いいよ。どこ?」

『内緒。ついてきて』

雫が向かった先は、小さな雑貨屋だった。
棚の前でしゃがみ込みながら、雫が言う。



『1年記念日、もうすぐだから、なんかちょっとしたのあってもいいかなって思って』


「……雫、そういうとこ反則だよ」


『え、なんて〜?』


「可愛すぎるって意味」

雫が耳まで赤くなる。
その反応が愛おしくて、空もつい目を細めてしまった。



2人は別々に小さなプレゼントを選んで、相手に見えないようにこっそり包んでもらった。


2人はまるで秘密を共有してるみたいにウキウキしたまま帰った。