それからの日々はあっという間に過ぎていった。






今日は私の17回目の誕生日。


空の家に着くと、玄関のドアが開いて、空がふわっと笑った。



「雫、誕生日おめでとう。……来てくれてありがとう」



たったそれだけの言葉なのに、胸がぎゅっと締めつけられるほど嬉しい。



『ううん、こっちこそ……空と誕生日を過ごせるの、ずっと楽しみにしてた』


靴を脱いで上がると、リビングには小さなテーブル。

その上に、空が作った料理がずらりと並んでいた。

唐揚げ、卵焼き、サラダ、私の好きなシチュー。



ふだんの空からは想像できないくらい品数が多い。



『…これ、全部空が作ったの?』


「うん。頑張った。料理動画めっちゃ見た」



ちょっと照れた笑顔が可愛すぎて、胸の奥が温かくなる。