お嬢様は溺愛に溺れている

きっと、今まで、辛かったよね……よく、頑張ったね…


「ごめんなさい……ほんとにっ…ごめんっ……」


体が本能的に動いてそっと女の子を包んだ。


「……頑張ったね…」


パパとママが別れちゃったら、悲しいし、未来のことも不安になるし、なにより、辛いよね……。


そうだっ!私、閃きましたっ!


我ながら、天才っ……!(ドやっ)


『心?どうしたんだ?』


パパの不思議そうな声が電話越しに聞こえた。


「パパ!あのね!私、――マンション買って欲しい!」


女の子がびっくりした様子で私を見た。


私は誇らしげにウインクする。


『…マンション?いいぞ!愛しの心のためならお安い御用だ!よし、今すぐに買うよ!』


よしっ!やった!


それだけ言うと通話が切れた。


「よし!お名前なんだっけ?」


「え?私?若菜…だけど…」


「若菜ちゃん!行こう!」


「??え、どこに?」


「ついてからのお楽しみ!」


蓮樹先輩が呼んでいたリムジンに乗り込むと目的地を運転手さんに伝える。


「――かしこまりました」


そして、揺られること二十分――。


私たちの前にそびえたつマンション、、、軽く五十階くらいありそう…!


ここなら、かなり、いいんじゃない…!?


「パパ、ありがとう!」


「心のためだ!こんなの安いものだよ!」


そういってガハハと笑うパパ。さすがパパ!


「何階の部屋なの?」


気になっていたことを聞くとパパは目を丸くした。


若菜ちゃんはマンションを見上げながらぼうっとしている。