お嬢様は溺愛に溺れている

何といえばこの子を救えるんだろう。


でも、今この子に私なんかが何か言ったところでなにも響かない気がした。


ただ、ごめんなさい…としか言えなかった。


「お嬢様」


落ち着いた声。少し低めの柔らかい声。


この声がこの場所に響くわけがない。


ゆっくりと後ろを振り返る。


そこにいたのは、いつものスーツ姿の蓮樹先輩。


「…っ、なんでっ……!」


だって……今日は、サポーターさんたちが集まる大きな会議のはずで……。


大切な日。だから、私は運転手さんに頼んで一人で買い物に行きたいって言ったけど、許してくれなかったから仕方なく護衛さんたちと一緒にモールに行ってて……トイレに行こうとしたらここに連れてこられて……。


なのに、なんで……?