お嬢様は溺愛に溺れている

「親のおかげで楽に生きてる奴はいいよね」


私は……何故か中学時代の子に連れられて、破壊寸前といっても過言ではない倉庫にいます……。


親のおかげ……確かに私はパパとママのおかげで何不自由なく生きてるけど……


「私なんて、両親が離婚して、お金もなくて、でもそんなときもあんたはへらへらして笑ってる。ムカつく。
苦労も知らないで生きてるあんたが憎い」


確かに、私は幸せで世間一般には裕福な暮らしをしてる。


でも、私だって……何も知らないで生きてるわけじゃない。


小さいころはパパとママの海外出張が多くて、帰ってくるのは一年に一回くらいだった。


お兄ちゃんがいたから寂しくなかったけど、悲しかった。


自由に外には出れないし、つねにおしとやかにふるまわなければいけない。


そして、私の将来はパパとママの会社の経営者、ということも決まっている。


自由がないのは、楽そうで、でも窮屈だったりする。


でも、この子はそんなのと比べ物にならないくらい辛いんだと思う。


そりゃそうだよね、パパとママが離婚……。


「ごめんなさい……」


とりあえず謝ると余計に刺激してしまったのか、怒らせてしまった。


「はぁ?そんなんでお嬢様気取り?私がどれだけ苦労してるかも知らないで、あんたは良いよね。親の引いたレールの上を歩く”だけ”なんだから……っ!目障り…!」


”だけ”か……。