Existence *

「こうなるだろうと思ってたから連れて来たくはなかったんだけど。…でもやっぱり会わせたくて」

「いや、ありがとう」


しゃがみ込んで美咲に抱きついている萌と香恋の頭を撫ぜ、俺は頬を緩ませる。


「萌も香恋もありがとう」

「…うん」


ションボリする表情に笑みを作って、俺は立ち上がる。


「結婚式は向こうで2人でするの?」

「あー…その予定」

「じゃあさ、帰って来たらこっちでみんなで集まってお祝いさせてよ」

「そんな畏まらなくっても…」

「何言ってんのよ。それも兼ねて会おうよ。みんなそう思ってる」

「ありがと」

「美咲ちゃん、元気でね。帰って来たら会おうね」

「…はい」


立ち上がる美咲に葵ちゃんが寂しそうに美咲を抱きしめる。


「…もぉ、葵まで泣かないでよ」

「泣いてないから。あの時は泣いたけど今は泣いてない。…芹沢さんと一緒だから安心してる」

「そっか」

「元気でね」

「うん」

「じゃあ、そろそろ行くわ」


俺の声で葵ちゃんが美咲から離れる。

そして俺達を見て笑みを零した。


「翔くん、みぃちゃん、バイバイ」


萌が小さく呟き掴んでいた美咲の腕を離す。

反対側に居た香恋は涙を流しながら葵ちゃんが引き離した。


「翔くんと、みぃちゃんにもう会えないの?」


香恋がワンワン泣きながら葵ちゃんに抱き着く。


「会える。会えるよ。だからそれまで待っていようね。…なんかごめんね」


葵ちゃんが困った様にそう口を開き、そんな葵ちゃんに美咲が首を振った。


「ううん。葵も、桃華さんも有り難うございます。また、帰ってきたらみんなで会いましょうね」

「じゃあ、また…」


桃華さんが笑顔で俺達に笑みを向け、隣の葵ちゃんに抱き着く香恋の頭をそっと撫でた。

そんな香恋は涙を手で拭いながら葵ちゃんから身体を離す。


「翔くん、みぃちゃん、バイバイ」

「バイバイ。またな」

「うん」

「萌ちゃん、香恋ちゃん、またね」

「うん」


最後は蔓延の笑みで見送ってくれた2人に俺と美咲は頬を緩ませ、


日本を旅立った――…