Existence *

「絶対、帰れねぇだろ…」


その場の雰囲気を見て、俺は小さく呟いた。

美咲は別卓で、女同士で囲んで料理を食べ始めている。


「お前はあんま浴びるほど飲んだらアカンからお茶でしのげ」

「いや、無理っしょ。あの場所でお茶で乗り切るとか無理だろ」

「もぉ、めっちゃ酒つぎ込んでくんねん。お前のお別れ会やのに…」

「どうみても違うっしょ。社長集団集まって、なんの会議だよって話」

「わー、ほんまや。おもろいメンツやな。お前、どこ座る?選びたい放題やで」


目配りをするルキアさんと同じ様に視線を送る。

いろんな卓ごとにそれぞれのメンツが居る。

ホスト仲間。

トビの仲間。

今まで交流のある仲間。

そのメンバーがごちゃ混ぜになって騒いでいた。

この光景がホスト時代を思い出させる。


この広い店の中のテーブルが全て埋まるくらいに人で賑わっていた。


「俺、風呂入って2階で香恋と愛優と寝て来るわ。すげぇ疲れて眠い」

「なんでやねん。お前の為に開いた飲み会やのに。あ、現役に戻った感じであっち座っとく?」


ルキアさんが指を指す方向。

美咲が居るテーブル席。

美咲に、梨々花に実香子に桃華さんに、優香に葵ちゃん…


「いやー…、あの集団はキツイっしょ。俺が説教受けるだけじゃねぇかよ」


そんなの行かなくても分かる。

絶対、俺に説教をぶち込んでくるに違いない。

うるさい集団に入るくらいなら、2階で香恋たちと寝る方がよっぽどマシだった。

とは言え、後々あとで言われるのも嫌なため、社長集団の席に腰を下ろした。

俺と入れ替わりで流星が立ち上がり、蒼真さんとタケルがいる場所に移動していく。