Existence *

「なんやお前ら。どこでそんな言葉覚えてんねん」

「だって、翔くんが男はみんなエロイ生き物って言うてた!」

「おぉ。お前ら遠足行ってたんちゃうんかいな。そう言う習い事してきたんか?ほかに何を教わってきたんや」

「男はエロイ」

「そうや、男はエロイねん。おい、凌空!お前もな、父親みたいにエロくなんねん」

「え、ちょっ、もうルキアさんやめて。ほんとそれはダメだから」

「…って、桃ちゃん痛いって」


桃華さんが顔を顰めてルキアさんの背中を叩くと、ルキアさんは笑いながら背中を擦った。

だからここへは美咲を連れて来たくはなかった。

来たくはなかったと言うか、この空気に押し潰されそうになる。


「はーい、みんな揃ったから食べて、食べてー」


奥から沙世さんと優香と実香子が顔を出す。

テーブルに沢山の料理を置いた後、実香子が俺たちの方へ駆け寄って来た。


「美咲ちゃん、初めましてー、実香子です。お会いできて嬉しいです」


そう言って、実香子までもが美咲に抱き着く。


「翔から色々聞いてました。母の事、沢山ありがとうございました」

「ううん。私もいっぱい思い出作らせてもらったよ。ありがとうの気持でいっぱいです」

「すみません、ありがとうございます」

「今日は沢山楽しんで食べてね」


ニコッと微笑んだ実香子が美咲を離すと、


「今日はな、美咲ちゃんと翔が海外に行くお別れ会やねん。めっちゃ寂しいやんけ」


そう言って、また両腕を広げて美咲に近づくルキアさんの腕を掴んだ。


「もう、ルキアさん、あっちで飯食って」

「いや、もうお前ら来る前から食って飲んでる」

「もう酔ってるんすか?」

「まだ酔ってはねぇよ。お前もやけど、あっちの連中マジ酒強すぎる」


奥に視線を移すと、ワイワイと騒いで笑い声が聞こえる。

トビの時の社長とホストの時の社長。

その卓に流星も居て、俺が今働いている職場の恭介さん。

そして哲也さん。


多分、あのメンバーが最強。

酒が強いのも分かる。