Existence *

結局、子供たちが納得するまで動物園に居た。

もうすぐで18時半になろうとする時間。


駅に向かい、今から帰ると連絡しようとした時、一件の蒼真さんからのLINE。


みんなで沙世さんの店に集まってる。って内容。

てか、沙世さんって、またなんで…


「…どうしたの?」


ジッと画面に視線を送る俺に美咲の声が不意に聞こえる。


「あー…なんか沙世さんの店でみんな集まってるって」

「沙世さん?」

「あー…ほら、今日あった優香の母親。お袋の親友っつってた人」

「あ、お墓参りによく来てくれる人?」

「そうそう。多分、行ったら絶対に帰してくれねぇと思うけど、美咲どうする?」

「いいよ。私も行く。挨拶もしたいし」

「挨拶っつっても、そんな畏まらなくてもいい奴らばっかだし」

「それに翔が皆を連れて行くの?無理でしょ」


数人寝ている子供たちを見ながら美咲はクスクス笑い、美咲の膝で寝ている香恋の頭をスッと撫ぜた。


「ま、そうだな…」


美咲と同じ様に見渡して、思わずため息を吐き捨てる。

電車に揺られる事、45分。

寝ている子供たちを起すも、香恋と愛優は歩きたくないと首を振る。


「香恋。美咲と手繋いでもらって歩きな」

「ううん」


電車を降りて、立ち止まる香恋は眠そうに首を振った。


「香恋ちゃん、凌空君と一緒に手繋いで帰ろっか」

「ううん」


足を進めようと全くしない香恋に俺はため息を吐き出した。


「ごめん、美咲。愛優抱っこ出来る?」


俺が抱える腕の中で寝ている愛優から、美咲に視線を向ける。


「うん」

「俺、香恋抱っこするから」

「大丈夫?」

「じゃねぇと香恋歩かねぇだろ」

「諒ちゃんに来てもらおうよ」

「大丈夫。こっから5分くらいで店着くから」

「わかった」

「おい、海斗。香恋のリュック持ってあげて」

「うん。いいよー」


海斗が香恋のリュックを手に持つのを見て、俺は抱きかかえている愛優を美咲の腕へと移動させる。