Existence *

「ねぇ、僕も抱っこしてほしい」

「はぁ?」


何言ってんだと思う凌空の言葉に顔を顰める。


「えー、香恋も抱っこ」

「何言ってんだよ」

「だって疲れたもん」

「香恋も疲れた」


2人して顔を顰め見上げて来るコイツらに更に俺は表情を崩す。


「あのな、俺も疲れてんだよ。歩けるんだから歩けよ」

「えー!だって愛優ちゃんも歩けるよ?」

「お前達は大っきいんだから歩いて。俺も疲れてる」

「え?大人なのに疲れるの?」

「大人だから疲れんだよ」


これじゃあ仕事してる方がよっぽどマシ。

仕事よりも数倍疲れる。


「でもパパが言ってた。翔くんは何でも買ってくれるし何でも出来るって」

「お前の父ちゃん、どうにかしてる」


ほんと蒼真さん何言ってんだよって話。


「あー、翔くん!ねぇ、肩車して!」

「無理」


瀬那が駆け寄って来てまた無茶ぶりを言い出す。


「えー、だってあそこのレッサーパンダ見えない」

「あっちに回ったら見えんだろうが」

「ここから見たい」

「翔くん、香恋も抱っこ」

「あのな、俺も身体が一つしかねぇから抱っことか出来ねぇから」


ワガママ放題のコイツらにため息を吐き出してると、先に歩いていた子供たちと美咲が来る。


「ねぇ、みぃちゃん疲れてる?」


凌空が美咲に声を掛ける。

その声に反応した美咲はニコッと笑みを向けた。


「ううん。疲れてないよ。大丈夫だよ」

「ほら!みぃちゃん疲れてないって言ってる!大人なのに疲れてないって言ってる」

「翔くん疲れたって言ってた」


凌空の後に香恋が言葉を吐き出す。

そんな言葉に美咲は苦笑いし、俺は子供たちに視線を送った。