Existence *

美咲に伝えてから慌ただしい毎日が過ぎて行った。

美咲の家のローンも全て払い終わり、今月にマンションを引き払うため、荷造りをしたりなんだかんだ仕事との両立が大変だった。


それに――…


「翔くん、みぃちゃんっ!」


香恋との約束を果たさなけらばいけなかった。

リュックを背負った香恋が嬉しそうに駆け寄って来て俺に抱き着く。


「久しぶりだな、香恋」

「うん!」

「香恋ちゃん元気にしてた?」

「うん!あのね、お魚見に行く」

「え、お前動物園って言ってただろ」

「だって凌空くんがお魚みたいって言ってるもん。お魚見て動物園行く」

「えー…そんな2つも行くのかよ」


俺はゲンナリとした声を出し、前方に視線を移す。

その方向に目を向けると、同じ様に視線を送った美咲が、


「え、ちょっと待って、翔…」


慌てた様に俺の服を引っ張った。


「うん?」

「みんな連れて行くの?」


美咲が目を見開いて子供たちに視線を送る。

香恋。

そして蒼真さんちの凌空と萌と海斗。

蓮斗の子供の愛優。

そして何故かユカんところの瀬那と杏。


まった、このメンバーかよ。


「俺だって連れて行きたくねぇよ」

「無理だよ、あんなに。私、見れないよ」

「美咲、大丈夫。俺ひとりで6人みた事あるから」

「えぇっ、」


案の条、驚く美咲に苦笑いになる。

香恋を抱えてその場所に着くと、ガキに囲まれて笑みを向けてきたのは優香だった。