Existence *

「…美咲?」


俺の声で振り返った美咲に線香を渡すと、それを受け取って同じ様にたてた。

そして俺は手を合わせ――…


「…美咲さんと結婚します」


そう誓った言葉で隣に居る美咲は笑みを浮かべる。

そして俺は手を合わせた。


幸せにします。

それと、暫くここへ来ることが出来ません。

美咲を一緒にアメリカへ連れて行こうと思っています。

美咲の返事は分からないけど、俺は連れて行きたいと、そう思ってます。


…――いい、ですか?


「…次、行くよ」


手を合わせてい居る俺に美咲の声が聞こえ、俺は閉じていた目を開ける。


「あぁ」


続いて訪れた場所。

お袋のお墓の前で、笑みを浮かべそっと墓石を撫ぜた。


「俺たち、結婚すっから」


俺の言葉で美咲が頬を緩める。


「…二人で頑張ります」


そう言って微笑んだ美咲の頭をクシャりと撫ぜる。

本当の願いは生きてる母親に会わせたかったということ。


願っても叶えられない願いだけど、一目でいいから美咲を会わせたかった。


今まで、ありがとう。

そしてこれからも――…



心地いい風が吹き、その飾った花びらが空を舞う。

お袋が喜んでいるかのように感じた俺は美咲と一緒に、舞い上がった花びらを追うように空を仰いだ。