Existence *

「だって、正直こうやって居るのもいいけど時間の使い方が分かんなくてさ」


時間の使い方?

なにそれと思う言葉に苦笑いが漏れる。

そんな事、考えた事もねぇわ。


「まー…そう言われると何とも言えねぇけどな。昔っから変わってねぇな、そー言う働き者の性格」


そう呆れた様に吐き出し、俺は再び椅子に座り箸を掴んだ。


「それは翔だって同じじゃん」

「俺は男だからな」

「それ、関係ある?」

「あるに決まってんだろうが。まー…美咲が考えな」

「うん」


これ以上言っても美咲は聞かないだろう。

その場しのぎの適当な言葉を返し、今月中にはって思った。


さっき受け取った紙をジッと見つめている美咲から視線を外し、冷蔵庫へ向かう。

そこからビールを取り出して、それと一緒にテーブルに置いているタバコを掴んで、ベランダへと出る。


あと一ヶ月の間に全てを片付けねぇとなぁ…

そう思いながらタバコを咥えた時、


「ねぇ、翔!」


急に張り上げた美咲の声で俺の肩が上がる。

タバコを咥えたまま振り返ると、美咲は顔を顰めて俺をじっと見た。


「うん?」

「今日、何本飲んだ?」

「え?」


小さく呟き咥えていたタバコに火を点ける。

そしてその煙をゆっくりと吐き出した。


「ビールだよ、ビール」

「あぁ…、初めて」

「ホントに?」

「ほんとに」

「今日、それが一本目?」

「そう。って言うか、なんなの、その監視力」


そこまで監視する必要ある?

と思いながら苦笑いをし缶ビールのプルタブを開け口に含んで、美咲を見た。