Existence *

「翔ってさ、ほんと私が働くことに賛成しないよね?」

「いや、賛成しないとかでは、ない。ただ――…」

「ただ…、なに?」

「…あ、いや。…なぁ、もし俺が数年居ないってなると美咲はどうする?」

「え、なにその質問」


美咲が言う通り、ほんと何の質問をしてるのだろうと思った。

俺の中で言うのは今じゃないって思ってて。

だけど美咲がどういうふうに応えて来るのかが気になった。


「いや、美咲はどうすっかなーって思っただけ」

「うーん…その時の状況にならなきゃ分かんない」

「え、どういうこと?」


思わず俺はペラペラ捲っていた資料から美咲を見つめた。

その状況にならなきゃ分かんねぇって、どゆこと?

すぐに一緒に行くと返答が来るもんだと思ったら、その言葉で拍子抜けと言うか驚いてしまった。


「って、今何の話してるの?翔、どこか行くの?」

「いや行かない」

「行かないのに言わないでよ」


困った様に呟いて笑う美咲に何も返すことがが見つからなかった。

まいったな。と正直思った。

でもまぁ、曖昧に言って、曖昧に聞いただけだから美咲も軽く言っただけなんだろうけど。


だけど、その時の状況って意味が俺には分かんねぇわ。