Existence *

「俺、忙しいって」

「美咲ちゃんと一緒に行ったらすげぇ楽しいと思う」

「何言ってんすか?マジで」

「愛優も誘って行けよ。梨々花ちゃん2人目出来て大変だろうし」

「はい?」

「香恋も誘ったらもっと楽しいから。じゃなきゃお前が海外行ったら香恋号泣だろ」

「香恋ねぇ…」

「つかよ、俺知らんかったけど、美咲ちゃんってTOEIC900越えって聞いたけど、まじ?」


蒼真さんが驚いた表情で俺を見る。

つか、またそんな情報誰から聞いた。


「よく知ってるんすねー…」


思わず苦笑いをしながら煙を吐き出し、珈琲を口に含む。


「凄いって情報が入って来ただけ。じゃ、ほんまなんや」

「って、本人から聞いたことはある。確か満点つってたかも」

「すげっ、一緒に連れて行って通訳してもらえよ」

「そうっすねぇー…」

「え、なに?お前何に迷ってんの?」

「いや、別に迷ってねぇけど…」


俺が迷うのじゃなくて、美咲が迷うんじゃねぇかって事。

そんな簡単に決められる事でもないし、美咲の意見も尊重したいと思ってる。

連れて行きたい。

ただ俺の言葉がそれしかなくても、美咲はわからない。