Existence *

「日本に帰って来る前に言うてくれたら、良さそうなところ抑えとくけど」

「その事なんすけど、美咲の家のローン全部払っとくわ」

「あー…あといくらって言ってたっけ?」

「一千万と少し、かな?」

「連れて行くん?」

「俺はそうしたいと思ってる。でも俺だけの気持じゃ無理なところもあるし」

「そんなん着いて行くやろ。断る理由なくね?まぁ、お前が不祥事起さんかったらな」


ハハッと笑う蒼真さんにタバコの煙と一緒に深く息を吐き捨てる。


「起こさねぇわ」

「で?美咲ちゃんは家の事で迷ってんの?」

「まぁ…アイツは売る前提で話してたけどな」

「うーん…前にも言ったけど売るには勿体ねぇ場所だけどな。って、俺は思う」


蒼真さんが言うように俺も売り払うのは勿体ないと何度も思った。

美咲は最近やけに家の事を気にしてる。

仕事をしていないから余計に言ってるんだろうけど…


「俺もそう思ったから残り払うわ。ちなみにその横の空き地、抑えといて」

「は?お前やっぱ買うのかよ」

「うーん…どうすっかなぁって思ってる。日本離れるまでに色々とやる事も沢山あっし」

「相変わらずお前、忙しいな。んじゃ、行くまでに俺の子供たちも水族館連れて行ってやって」

「…はい?」

「いやー…凌空がな、香恋が翔くんとお魚見に行ったから僕も行きたいっつってよ」

「連れて行けばいいだろ」

「翔くんと行きたいって言ってたんだよ、凌空が。んじゃ萌も私も行きたいって」

「いやいや、なんで俺?おかしいだろ」

「お前は人気者だからなー」


顔を顰めてタバコの煙を吐く俺に蒼真さんがクスクス笑いだす。

つか人気者の意味が違う。