Existence *

…――――

シャワーを浴びて、再びベッドに寝転び美咲を抱きしめる。

次第にカーテンの隙間から光が差し込む方向へ視線を向けた。


「もう、朝か…」

「何時だろ」


そう言った美咲に俺は身体を引き離しベッドの横にある小さな台に手を伸ばす。

そこにあるスマホを掴んで、画面から明かりを照らした。


「もうすぐ5時半」

「仕事、行くんでしょ?」

「あぁ」

「ごめんっ、一睡もしてない」

「別に、それは慣れてる」


困った顔で見つめて来る美咲に頬を緩ませ、美咲の身体に腕を絡ませる。

そんな俺に美咲の腕も絡んでくる。


「時間、大丈夫?」

「あぁ、あと一時間」

「…私、…どうしよう」


小さな困った悲痛な声を漏らす美咲のため息がやけに大きく聞こえた。


「何が?」

「私…仕事ないの」


どんな困りごとかと思ったら、大したこともない事だった。

ほんと、どうでもいい。


「あぁ」

「あぁって、何?」

「あー…いや、別にいいんじゃね?って事」

「別にいいって言われてもな。探さなきゃ…」

「いや、だから別にいいだろ」

「その意味がわかんない」


その意味を今、伝えるわけにもいかない。

俺が二年間、日本を離れる事。

だから美咲が職を決めてしまうまでに話さなきゃいけないけど。

まだ、美咲に伝えたい事もある。


それと一緒に…