Existence *

「ぶっちゃけ俺にだって余裕ねぇの。ホストやってて女がいっぱい居ようが所詮仕事」

「……」

「一歩抜け出すと普通の男。美咲が気にするとか言うけど、俺だって何も思ってねぇ訳じゃねぇよ?」

「……」

「お前が誰と会ってようが抱き合ってようが、それはそれで気になんだよ」

「……」

「むしろ若かった時より余裕ってもんがねぇの。出会った頃はそれなりに勢いってもんがあるけど、今はそうにもいかねぇの」

「……」

「…だから周りの事で振り回され頭がついていけなかった。俺の所為で美咲には悪いと思ってる」


ほんとに悪いと思ってる。

深く息を吐き出し、視界を遮るように腕で覆う。

でも正直、美咲が気になると言ってくれたことには嬉しかった。

今までそう言う事を一切言ってこなかったし、むしろその事には無関心だと思っていた。

言えない雰囲気を俺がだしていたのかもしれないが、美咲は吐き出すよりもため込む方。


でも、そうさせてきたのは俺って事。

不意に俺の身体に絡んできた美咲の腕。


「どした?」


視界を遮っていた腕を振りほどき、美咲を見つめる。

ギュッと俺を抱きしめ、美咲は顔を沈めた。


「…ごめん」


小さく呟く美咲の声。

それと同時に俺も美咲を抱きしめた。


「何のごめん?」

「翔の身体壊してるのは私だね…」

「は?なんで?」

「…なんとなくそう思った」

「つか、それすげぇ間違ってっから。ただ単に飲みすぎた俺が馬鹿なだけ」


ほんと馬鹿過ぎてどうにかしてた。

美咲と離れただけで、あんなに人って迷い込むことを初めて知ったようなものだった。

苦笑いで笑い美咲の頭に手を滑らす。