Existence *

「翔がずっと私のモノだって言う何かが欲しい」

「…例えば?」

「分かんない。でも、誰にも邪魔されたくない」


そんなの俺も一緒。

周りに振り回されて壊されたようなもん。

いや、違うか。

俺自身が未熟でなんも美咲に対して出来ていなかったから。と言った方が正しい。


「…分かった。他は?」

「分かんないよ、そんなの」


困った様に呟く美咲に思わず苦笑いが漏れる。

そんな笑ってる俺が気になったのか、美咲は俺の胸から顔を離し、そして見上げる。


「分かんねぇばっかだな」


困った表情の美咲をみて再び俺は笑みを漏らした。


「だって、分かんないんだもん。…ねぇ、幸せって何?」

「さぁ、…な」


まった深い質問してくんな、ほんとに。

それを俺が答えろってか?

そんなのありふれた日常の中に隠された答えがある事しかねぇじゃん。

それをただ感じるだけ。


「さぁ…って?」

「それは自分の感じ方次第なんじゃねぇの?」

「感じ方?」

「そう。例えば、些細な事で思えばそれはそれで幸せだと感じる事もあるし、こうやって一緒に居る事で思う事もある。でも、それを思わない事だってある。だから感じ方次第」

「……」

「俺は今、美咲と居れるだけで幸せだけど。じゃなきゃ、お前が居なかったら俺、それこそ確実に死ぬよ?」

「…そんな事、言わないでよ。殺したなんて言われたくない」

「だったら一緒に居ろよ。美咲が幸せだって、そう思うまで傍に居る事は出来るから」

「…うん」


これ以上、美咲を手放すことが出来なかった。

ただ一緒に居たい。

その思いが強すぎて、抱きしめていた身体を緩く離し、再び美咲の唇に自分の唇を近づける。

だけど、その行動に戸惑った美咲は慌てて俺の口を塞いだ。