Existence *

「それも美咲が決める事だろ。まだ、美咲の気持聞いてねぇし」


仰向けで寝ている美咲を見下ろす。

そっと美咲の頬に手を滑らすと、美咲の瞳が微かに揺れ、そして戸惑うように逸れる。

その美咲の表情が沈んだのがすぐに分かった。


今、何考えてんの?

そう言葉を吐き出そうとした時だった。


「正直、翔と居るのが不安」


美咲の小さな声で俺は息を飲み込んだ。


「なんで?」

「職業柄とかそんなのはどうでもいい。でも翔は女の数凄いでしょ?昔は何とも思わなかったけど…」


逸れていた美咲の視線が俺に向く。

寂しそうに見つめて来る美咲の視線がまた逸れた。


ごめん。

凄くないって、言ったところで美咲は信じられるのだろうか。

俺には美咲しか居なくて、離れて余計に思ったこの気持ちが更に溢れそうになる。


そう思ってんのは俺だけだろうか…


「じゃあ、どうしろって?美咲が言ったようにするから。美咲が思ってる事、言わなきゃ俺なんも出来ねぇよ?」

「…なんで、…なんで私なの?」


そう言った美咲は再び俺に視線を向けジッと見つめてきた。


「何それ、どう言う意味?」

「なんで私なのかなって、そう思ったから」


ほんと。

意味分かんねぇ質問。

でもそれを聞くほど俺と居る事が不安って事だろう。

そこまでさせているのは俺であって、俺の全ての行いの結果。


「なんでって、美咲がいいからに決まってんだろ。一緒に居たいって、美咲が学生の時、そう言った時から変わってない」

「……」

「そのお前が思ってる不安、取り除いてやっから言えよ」


再びグッと美咲を抱え込んで頭を撫ぜ、俺は顔を沈めた。

美咲の答えが聞きたい。


ただ、それだけ。