帰宅したのは21時頃だった。
疲れた肩を解しながら首に巻いているネクタイを解き、それを椅子に掛ける。
冷蔵庫から取り出した水を一気に喉に流し込み、一息ついてふとそこに向かう視線に意識が止まる。
美咲と会ってからずっと置かれていた婚姻届け。
それを手に取って、迷わず二つに破りごみ箱に捨てる。
逆に何も考えずに良くなったと思えば、これはこれで俺も楽になったとそう考える方が俺にとっても好都合だった。
シャツを脱ぎ捨て、風呂場に向かう。
と、不意に聞こえて来る着信音。
このまま無視して風呂に入ろうかと思ったけど、一旦引き返してテーブルに置いているスマホを掴み取った。
画面に浮かび上がる知らない番号。
誰?と一瞬思い、そのスマホをテーブルに置くも何度も鳴り続ける着信音に一息吐き、再び手に取った。
「…はい」
素っ気なく出る俺は耳に当てたまま風呂場へと向かう。
そして風呂のお湯はりボタンを押した。
「あ、こんな遅くにすみません。…葵です」
「…え?…葵ちゃん?」
驚く以上に意識が一瞬フリーズする。
なんで葵ちゃんが?
「すみません。諒也がまだ仕事なんで、この番号聞きました」
「あー…、どうしたの?」
「芹沢さん。…いま美咲と居ます?」
「え?いないけど」
「…いない?」
「って言うか、美咲は行ったんじゃねぇの?アイツは俺には一度も会いに来ていない」
「…もしかしたら行ってないかも知れません」
もしかしたら行ってないって、どういう事だろう。
「どゆこと?」
「電話したら繋がったんです。…だからもしかしたら芹沢さんと一緒なのかなって、」
「いや、居ない」
「繋がったって事は行ってないって事ですよね?」
「どうだろう…今日じゃねぇかも知れないし」
「今日です。美咲に何度も確認しました」
「そう…」
繋がったって、なに?
どう言う事?
アイツは…美咲はいったいどこにいるんだろうか。
しかもなんで行っていない?
疲れた肩を解しながら首に巻いているネクタイを解き、それを椅子に掛ける。
冷蔵庫から取り出した水を一気に喉に流し込み、一息ついてふとそこに向かう視線に意識が止まる。
美咲と会ってからずっと置かれていた婚姻届け。
それを手に取って、迷わず二つに破りごみ箱に捨てる。
逆に何も考えずに良くなったと思えば、これはこれで俺も楽になったとそう考える方が俺にとっても好都合だった。
シャツを脱ぎ捨て、風呂場に向かう。
と、不意に聞こえて来る着信音。
このまま無視して風呂に入ろうかと思ったけど、一旦引き返してテーブルに置いているスマホを掴み取った。
画面に浮かび上がる知らない番号。
誰?と一瞬思い、そのスマホをテーブルに置くも何度も鳴り続ける着信音に一息吐き、再び手に取った。
「…はい」
素っ気なく出る俺は耳に当てたまま風呂場へと向かう。
そして風呂のお湯はりボタンを押した。
「あ、こんな遅くにすみません。…葵です」
「…え?…葵ちゃん?」
驚く以上に意識が一瞬フリーズする。
なんで葵ちゃんが?
「すみません。諒也がまだ仕事なんで、この番号聞きました」
「あー…、どうしたの?」
「芹沢さん。…いま美咲と居ます?」
「え?いないけど」
「…いない?」
「って言うか、美咲は行ったんじゃねぇの?アイツは俺には一度も会いに来ていない」
「…もしかしたら行ってないかも知れません」
もしかしたら行ってないって、どういう事だろう。
「どゆこと?」
「電話したら繋がったんです。…だからもしかしたら芹沢さんと一緒なのかなって、」
「いや、居ない」
「繋がったって事は行ってないって事ですよね?」
「どうだろう…今日じゃねぇかも知れないし」
「今日です。美咲に何度も確認しました」
「そう…」
繋がったって、なに?
どう言う事?
アイツは…美咲はいったいどこにいるんだろうか。
しかもなんで行っていない?



