キスに溺れながら美咲の胸に手を伸ばす。

次第に漏れてくる美咲の声。

肌と肌が触れ合うこの感触。


5年ぶりに抱いた美咲に溺れすぎたのは俺だった。


「美咲が、好き…」


無意識に零れ落ちた言葉に美咲が頬を緩ます。


「私も好きだよ」

「ずっと好きだった」

「私もずっと好きだった」

「……」

「翔の事、忘れた事なんかなかった。ずっと想ってた」

「あー、やばい。その言葉だけでイキそうなんだけど」

「もぉ何言ってんの?」


クスリと笑う美咲の頬に触れ、その手を髪に滑らす。

そして俺は意地悪く笑った。


「なに?もっと気持ちよくさせてからイケってか?」

「違うよ」


困って戸惑って笑う美咲に俺は頬を緩めた。


「じゃあイッていい?」

「…だめ。もっと触れたい」


そう恥ずかしそうに言った美咲の腕が伸びてきた。


「俺も」


クスリと笑う俺はその伸びてきた美咲の腕に吸い込まれるように倒れ込み、唇を重ね合わせる。

美咲の両腕が俺の首に絡まり2人の吐息が混ざり合う。

重なり合う肌から熱が浴びていくのがわかった。


「ずっと、会いたかった。翔に会いたかった」


離れた唇から囁かれ、美咲は俺の頬に触れる。

って、言うか。


「多分、美咲が思ってる会いたかったと、俺が思ってた会いたかったの度合いが違う」


5年。

長かった。

本当に。

どれだけ会いたいと思った事か美咲には分からないだろうけど。

この5年は本当に苦しかった。


「何それ、意味分かんない。一緒だよ」

「一緒じゃねぇわ。俺の方が思ってた想いは強いよ?」

「私だって、」

「じゃ教えるわ」

「教えるって、どうやって――…あっっ、」


美咲が言葉を繋げる前に俺は唇を塞ぎ、ゆっくりと腰を動かす。


「身体で教えるわ」


唇の隙間から小さく呟き口角を上げる。

そんな俺に美咲は小さく呟いた。


「…ほんと、意地悪」


困った様に笑みを漏らす美咲から徐々に漏れて来る声に俺の欲情が止める事などできず。

会いたいとずっと思ってた5年間の気持ちが溢れ出すように、俺は美咲を抱きしめていた。