Existence *

「おぉ、香恋すげぇ元気じゃん」

「うん」

「しんどいの治ったのか?」

「うん」

「そっか残念だな。俺とずっと居れたのに」

「翔くん、寂しい?」

「うん。香恋が居ないから寂しいわ。寝れねぇかも」

「でも香恋、パパと帰る」

「しんどくなったら、また来いよ」

「ううん。実香ちゃんちっぱいするから来ない」

「ハハッ、お前多分それずっと言われるやつだな」


笑いながら俺は実香子を見ると実香子は困った様に顔を顰めた。


「えー…、それヤダなぁ」

「あのね、パパ。実香ちゃん、ちっぱいしたの」

「うん?失敗?」

「うん、翔くんの手から血出てた」

「まじか。お前もな、しんどくなったらここに来て実香お姉ちゃんにしてもらわねぇといけないからな」

「ううん…」

「もぉ、諒也くん、そんな事言っちゃうとまた香恋ちゃんビビっちゃうじゃん」

「これよくね?翔さんから帰んなかったら注射って言ったら帰ってくれんだからよ、」

「ちょっと、そう言う事言わないの」


ハハッと笑う諒也が香恋の手を引く。

その頭を俺は撫ぜ、スッとしゃがんだ。


「香恋、またな」

「うん」

「来てくれてありがとう」

「翔くん、また遊ぼうね」


ギュッと俺の首に腕を回して抱きついて来る香恋を見て、実香子がクスクス笑いだす。


「ほんと香恋ちゃん、翔くんの事好きだね」

「うん」

「翔くんと結婚するの」

「えっ!?そんな言葉どこで覚えたの?翔くんと結婚するの?」

「うん」

「えー…んじゃ俺後20年も待つの?もう俺そん時50歳くらいなんだけど」

「うん、いいの」

「はぁ?何言ってんだよ、お前は…。もう香恋帰るぞ」


諒也が俺から香恋を引き離すと、香恋は小さい手を振った。


「香恋ちゃん、またね」

「うん」


バイバイって帰って行く香恋を見送り俺と実香子は再び中へ入って行った。