Existence *

「アイツと何を話した?」

「…初めは私と翔くんの事を疑ってたみたいで」

「疑う?何に?」

「あなた付き合ってるの?って。違うって言っても信じてもらえなかったの」

「……」

「なんか物凄い圧が凄くてさ、だから私も負けじと違うって言い張っちゃって、私じゃないし翔くんは彼女と同棲してるからって、言っちゃったんだよね…」

「……」

「言った後に、やばい余計な事言っちゃったって思ったんだけど、もう遅くて…」

「……」

「だから翔くんが別れたって言った時に、曖昧な糸と糸が張り合わさったみたいに答えが出たって言うか…」

「……」

「あの人、美咲ちゃんの事を探してたって事だよね?あの人、翔くんの事物凄い好きだよね?同棲なんて言っちゃったから多分怒らせたんだと思う。…ごめん、翔くん。私の所為だ…」


実香子の瞳が揺れ、今にも涙目になっていく。

12月初め…

一番初めに美咲から言われたのが12月半ば。

その後は12月終わりごろ。

だけど――…


「違う。実香子が言ったからじゃない。その前から俺と美咲が付き合ってた事は周囲に広まってた。だから一緒に居る事も知られていたと思う」

「……」

「なのにそれを俺が曖昧に誤魔化して隠してから。あの女にも…」

「……」

「俺が周りに美咲の事を隠しすぎた所為。だからと言ってその事を公表つもりもなかったけど。きっとそう言うのが余計にムカついたんだろうな」

「……」

「だから実香子じゃない」

「ごめん。…その時に翔くんに言えばよかった」

「その時に言われてても結果は同じ。逆に実香子まで巻き込んでごめん。そら流星も実香子の為なら怒るよな」

「……」

「アイツにすげぇ怒られたわ。しかもお前の男、本気で殴ってきたんだけど?」

「ごめん…。って言いたいところだけど今は翔くんの味方じゃない」


表情を崩してそう言ってきた実香子に思わず苦笑いが漏れる。


「俺の人生ってさ、全てが自業自得なんだよ」

「……」

「だから気にするほどの事じゃない」


ずっと、ずっと、昔からそうだった。

母の死からずっと。

そしてその前から――…