Existence *

蓮斗に言われたからって、すぐに病院には行かなかった。

きっとこれが俺の悪いところなんだろうと。

だけど、その数日後からやけに頭が痛い。


飲み歩くことはないけれど家で飲む酒。

酒を飲まないとやってられない毎日。

その毎日の中で美咲が頭を過り、そして忘れようと酒に溺れる毎日。


咳き込む身体の怠さに物凄い頭痛。

その所為で必然的に足が病院に向かった。


本当に久しぶりだった。

もうどれくらい来ていないのだろう。

徐々に減ってきた薬も最近では全く飲んでいなかった。


検査をして暫く経って、名前が呼ばれ、医師の話を聞く。

でもその答えに俺は納得してしまった。


ま、そうだろうな、と。


自業自得って、この事だろうなって思わせるこの結果。


「…――あなたは本当に入院好きですね」


不意に聞こえた視線を向けると、隣にナース姿の実香子がため息を吐きながら腰を下ろした。


「久しぶりだな」

「久しぶりなのに入院の会話ですか?」

「……」

「あれだけ言ってたのに。集中的大量摂取はダメだよって。なんで約束破ったの?」

「約束?」

「約束破らなきゃここへはもう来ないでしょ」

「そだな」

「そだな。じゃないでしょ?美咲ちゃん、心配するじゃん」

「……」

「翔くんの身体の事、いつも気にかけてくれてたんじゃないの?なのになんで?」

「……」

「ねぇ、翔くん?」


俺の顔を覗き込んでくる実香子の視線から、スッと外す。

美咲の話はする気もないし、されたくもない。

敢えて俺から別れたって話はしたくないけど、アイツの話題を持ち出さないでほしい。


「なぁ、いつから入院って?」

「明後日から。入院の意味分かってるよね?お酒から離れるための治療。そして完治する事。今の翔くんは危険だよ?」

「なに?死ぬってか?まぁ忘れられるんだったらそこも悪くねぇかな」


正直、もぉ入院でも何でもどうでもよかった。

めんどくさい事を考えずに済むならどうでも良かった。