Existence *

「翔を返せって言われた!!翔が辞めたのは私の存在だって言われた!!そんな事言われたら私の居る意味がなにもないじゃん!!」


張り叫んだ美咲の声が部屋を反響する。

と、ともに再び美咲の目から涙が伝っていく。


その美咲の苦しそうな表情に怒りが芽生えてしまった。


まじで、何言ってくれてんだよ。

って思うのが本音。

俺を返せって?

まじ意味分かんねぇわ。

リアの奴、マジで何言ってんだよ、


なのに苦しそうにしている美咲を抱きしめることなど出来なかった。

ごめんって言うよりも、俺の身体が勝手に動いていた。

アイツに会わねぇと気が済まねぇわ。


「ちょっと、出るわ」

「待ってよ!どこに行くの?」


美咲の横を通り過ぎる俺の腕を美咲は力強く掴んでくる。

振り返ると美咲は困った様に俺を見つめ、また出そうな涙を手で拭った。


「すぐ戻るから」

「何でよっ!なんで今、あの女の所に行こうとするわけ?」


直感で分かったのだろうか。

俺がリアに会いに行こうとしてる事を。

でも、会わねぇと俺の苛立ちが治まんねぇから。


「俺が納得出来ねぇから」

「だからと言って会わないでよ!!」

「会わねぇと話し進まねぇだろ」

「何でよっ!だからと言って何で簡単に会うの?昔ならともかく、何で辞めた今でも簡単に会っちゃうの?そんな今でも翔は色んな人と会ってんの?」


必死で叫ぶ美咲の言葉に、は?と、心の中で呟く。

なに?俺が誰とでも簡単に色んな女と会ってるって、お前は今までずっとそう思ってたのかよ。

確かに偶然出会うこともある。

だけど、それは偶然でただ会うだけで、俺から会うと取り合った女は今まで一度もない。


ホストだったからそう思われても仕方ない事だってある。

だから俺は俺なりに美咲には不安にさせないようにしていたつもり。

って、言うか。

俺にそんな事言ってる場合じゃねぇだろ。